● 動画のスクリプトと和訳・解説テキスト:
Dude, Black Friday shopping was insane yesterday. I think I almost got tackled by a grandma.
「いや、昨日のブラックフライデー・セールはヤバかった。おばあちゃんにタックルされかけたよ。」
dude は親しい相手に対する呼びかけの定番語です。日本語ではあまりこういった呼びかけの語はありませんが、英語では bro や buddy、mate といった語を使って相手に「おい」とか「よお」、あるいは「君」「お前」みたいな感じで呼びかける際によく使います。比較的男性同士で使うことが多いですが、dude に関しては女性に対しても使うことが出来ます。insane は「常軌を逸した」「正気とは思えない」といった意味の形容詞で口語では「ヤバい」といった意味合いでよく使われます。
Seriously? What were you buying? A golden ticket to Willy Wonka’s factory?
「本当に?何買おうとしてたの?ウィリー・ウォンカの工場へのゴールデンチケット?」
Seriously? は Are you serious? と同じ意味で「本当に?」とか「マジ?」みたいな驚きを伴う疑問を表します。a golden ticket to Willy Wonka’s factory は映画「チャーリーとチョコレート工場」に出て来る希少な金のチケットのことですね。手に入れられた者だけがウィリー・ウォンカのチョコレート工場に招待されることから、人々が何とかして手に入れようとしたチケットのことです。ブラックフライデーのセールではさまざまな商品が大幅値下げで販売されるので、バーゲン品を取り合う客同士が争いのようになることがよくあるため、ここでは冗談で「ウィリー・ウォンカの工場へのゴールデンチケットを買おうとしたの?」と尋ねているわけです。
Nah, it was just a 50-inch TV. She came at me like a linebacker! I swear she growled.
「いや、50インチのテレビ。そのおばあちゃん、ラインバッカーみたいに突っ込んできたんだよ!唸ってた気もする。」
Nah は No のバリエーションの一つです。linebacker はアメリカンフットボールのポジションの一つで、ディフェンスの際に力強くタックルすることから、ここではそのお婆ちゃんがラインバッカーみたいに突っ込んできた!と言っているわけです。I swear ~ は「~だと誓う」「~だと断言する」といった意味で、growl は「唸る」という意味があります。ブラックフライデーのセールで50インチのテレビの取り合いになって、お婆ちゃんが唸りながらラインバッカーのように突っ込んできた…ということですね。
You probably deserved it. Did you get the TV?
「それは多分あなたのせいね。それでテレビはゲットできたの?」
You probably deserved it.の probably は「おそらく」「多分」という意味の副詞、deserve ~は「~にふさわしい」「~の価値がある」「~の報いを受ける」という意味から You deserved it. といえば「当然の報いだ」とか「自業自得だ」といった意味の定番表現になります。Did you get ~? は「~を手に入れられましたか?」という意味の定番質問フォームです。ここでは the TV のように定冠詞 the がついている点に着目しましょう。初出は a 50-inch TV のように不定冠詞 a がついていましたが、ここでは「そのテレビ」のように特定のテレビを指しているので the をつけているということです。
Are you kidding? Of course, I got it. I had to sacrifice my cart, though.
「当然だろ?でも買い物途中のカートを犠牲にしたけどね。」
Are you kidding? もぜひ覚えておきたい定番表現です。「冗談でしょう?」とか「嘘でしょう?」といった意味ですが、ここでは of course を強調して「当然でしょう?」という意味になっています。sacrifice は少し難しい語ですが「~を犠牲にする」という意味があります。ここでは I had to sacrifice my cart. で、安売りのテレビをゲットするためには「(自分の)カートの中の他の商品を犠牲にするしかなかった…と言っているわけですね。
You mean you ditched your entire cart?
「え、それってカートを丸ごと放置したってこと?」
You mean も日常会話では本当によく使う定番パーツです。「つまり」とか「要するに」のように、相手の言っていることを確認するような感じで使う前置き系の表現ですね。ditch は「溝」「ドブ」のことですが、動詞では「○○をドブに捨てる」「○○を見捨てる」といった意味があります。entire は「全体の」「全部の」という意味ですから entire cart は「カート丸ごと」、つまり you ditched your entire cart で「カート丸ごと見捨てる・諦める」といった意味になります。
Yep. Left it in the middle of the aisle like, “Sorry, robot vacuums and smart speakers. It’s every man for himself.”
「そうさ。通路の真ん中に置きっぱなしだよ。『ごめん、ロボット掃除機とスマートスピーカー。君たちを犠牲にするしかないんだ』って感じでね。」
Yep は Yes のバリエーションの一つです。left は leave の過去・過去分詞形。そして aisle というのはスーパーやお店の「通路」のことですね。発音はアイスルではなくアイルですので注意しましょう。そしてここで今回取り上げる定番セリフが出てきました。It’s every man for himself.を直訳すれば「各人は自分のためにある」といった意味で、転じて「自分の身は自分で守る」とか「自分のことは自分で何とかするしかない」といった意味の慣用表現になります。ここでは放置されたカートの中に置き去りになったロボット掃除機とスマートスピーカーに対して「君たちは君たちで頑張ってくれ」とか「(テレビをゲットするためには)こうするしか方法はなかったんだ」みたいな意味で使われています。
Wow, priorities! I was shopping too, but online. No growling grannies for me.
「うわ、優先順位わかってる!私はオンラインで買い物してたから、唸るおばあちゃんとは無縁だったわ。」
priorities は「優先事項」とか「優先順位」といった意味、shopping online は「オンラインで買い物をする」という意味ですね。grannies は granny の複数形で「お婆ちゃん」という意味の口語表現です。No growling grannies for me.は、自分はオンラインで買い物をしたから「唸り声をあげるお婆ちゃんはいなかった」という意味になります。
Lucky you. I jammed my finger dodging shopping carts.
「そりゃ良かったね。俺なんてカートを避けようとして突き指しちゃったんだから。」
Lucky you.は「あなたツイてるね」という意味の定番表現。jam one’s finger は「突き指をする」という意味の慣用表現です。こういった日常会話での定番表現は知らなければなかなか口から出すことが出来ませんので、ぜひ覚えておいて下さい。dodge は「ドッジボール」の dodge で「~を避ける」という意味の動詞です。
Classic Black Friday injury. You’re a hero!
「まさにブラックフライデーならではのケガじゃん。あなた、ヒーローだよ!」
classic は「古典的な」「典型的な」といった意味がありますが、ここでは Classic Black Friday injury で「典型的なブラックフライデーのケガ」という意味になります。You’re a hero! もぜひ覚えておきたい定番セリフで、特に You’re my hero! といえば「あなたは私のヒーローだ!」といった意味になります。もちろんこれを He’s my hero! とすれば「彼は私のヒーローだ!」という意味にすることも出来ます。このように英語では定番のセリフやフォームを覚えることで、あとは組み合わせ次第でバリエーションをどんどん作り出すことが出来るようになります。
● ディクテーションの解答と解説:
When it comes to promotions, no one shares their secrets. It’s every man for himself.
「昇進の話となると、誰も秘密を教えてはくれない。まさに競争社会だね」
When it comes to ~ は「~の話になれば」「~と言えば」といった意味の定番表現です。promotion は、ここでは「昇進」のこと。share は最近では日本語でも「シェアする」なんてよく使いますね。「共有する」という意味です。そして最後は今回取り上げた定番セリフ It’s every man for himself.です。動画内でも説明しましたが「自分の身は自分で守る」といった意味ですが、文脈によってさざまな訳し方が出来ます。ここでは「まさに競争社会だね」といった感じに訳してみました😊
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