英語恐怖症だった僕が、なぜ通訳者になれたのか?
こんにちは。僕の名前は HIDEKI、東京で英語の通訳や翻訳の仕事をしています。今日は僕がどのようにして英語を話せるようになったのかについて詳しくお話ししたいと思います。
先に言った通り、僕は通訳や翻訳の仕事をしているわけですが、そんなことを言うともしかしたらあなたは僕が元々英語が得意だったのだろうと思うかも知れませんね。あるいは帰国子女だったのではないか?元々英語に堪能だったら、そんな人の話は参考にならないと思うかも知れません。
しかし現実は全く異なり、僕は中学・高校と英語が大の苦手でした。むしろ英語に恐怖を感じていたほどです。そんなとんでもない英語の落ちこぼれが、何をどのようにしたら英語を話せるようになったのか?その一部始終について、これからあなたに包み隠さずにお話ししますので、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。
高校時代…英語の授業でのトラウマ
既にお話しした通り、英語に関して言えば、中学校・高校で良い思い出は一つもありません。あれはいつだったか、僕が高校生の頃、英語の授業で音読を命じられたことがありました。その初老の英語教師は、僕がいつも試験で赤点ばかり取っていることを快く思っておらず、時折抜き打ちのように、ニヤニヤ薄ら笑いを浮かべながら教科書の音読を僕に命じるのです。
僕が英語の発音を間違えるといつもクラス全体が笑いに包まれるので、それを狙っていることは明白でした。その意地悪な教師は、一人の落ちこぼれ生徒をダシにして自分の授業を盛り上げようとするイヤな奴だったのです。仕方なく、いつも通り僕はたどたどしい発音で教科書の英語を音読し始めました。初めは何とか読み進めることが出来ましたが、途中で church「教会」という単語が出てきて僕の音読は止まりました。
静まり返る教室。額に流れる汗。僕は一か八か、大きな声で「カーク!」と叫びました。そうです church を「カーク」と発音したのです。「カーク!?」…なんだそれ、英語か?と教師がバカにしたように言い放った途端、教室中が大爆笑となりました。予定通りとは言え、とても恥ずかしかった。顔がカーッと熱く、赤くなるのを感じ、僕はそこから逃げ出したい気持ちに駆られました。ふと見ると、ひそかに憧れていたカワイイあの子までがゲラゲラと声を上げて笑っているではありませんか!そんな出来事がトラウマとなり、僕の英語恐怖症に益々拍車がかかりました。
アメリカ行きの決断を鼻で笑った英語教師
結局、英語嫌いが原因で僕は大学受験に失敗し、高校卒業後は惨めな浪人生活を送ることになりました。周りの友達が皆、現役で大学に合格し青春を謳歌しているのに、自分は何てダメ人間なんだろうと強い劣等感に苛まされました。そんなある日、僕はふと思い立ったのです。
よし、苦手な英語を克服しよう!やるなら徹底的にマスターしよう!性格が単純というのもありましたが、英語を習得するにはアメリカへ行くのが一番だと考えました。ただし留学するには高校時代の成績証明書が必要だったので、あの英語教師に頼まなければなりませんでした。
久しぶりに高校を訪れ僕がアメリカへ行くことを伝えると、英語教師は「君がアメリカへ?冗談だろう?」と呆れ、鼻で笑いました。そればかりか「大変だからやめた方がいいんじゃないの」とまで言い放ったのです。自分がバカにされたことが悔しくて、僕は絶対に英語をマスターしてやる!と心に誓い、高校を後にしました。
コロラドのド田舎で始まった英語生活
僕はレストランでアルバイトをして資金を貯めながら、自分を受け入れてくれるアメリカの大学について調べ始めました。しかし、どこも門前払いでした。なぜなら、英語を話せない僕はほとんど日本語のような発音の英語で問い合わせていたからです。そんな中、アルファベットさえ読むことが出来れば入学OKという極めて太っ腹な英語学校をコロラド州の田舎に見つけました。
さらにそこでのコースを修了すれば半年後には大学学部にも入学できるというオマケ付きでした。僕は藁をもすがる思いで、コロラド州のド田舎にある英語学校へ向かいました。もちろんサッパリ英語がわからない状態で渡米しましたので、現地空港に到着してからもトラブル続き。何とかしてホストファミリーの家に辿り着いたまでのすったもんだ話はまたの機会にお話しします。
英語学校での初日、アルファベットが読めればOKと言う割にはまともなレベル分けのテストを受けさせられました。ただ、英語はサッパリわからない…という僕でしたが、なぜか一番下から二番目のクラスに入ることが出来ました。後になって知ったのは、最下位のクラスは文字通りアルファベットさえ読めない人たちが入るクラスということでした。僕の入ったクラスにはアルゼンチンからやってきた赤鼻のヨッパライのようなお爺さんとメキシコから来た「マリオ」にそっくりな陽気なおじさんがいて、僕たちは友達になりました。
英語劇にヒントを得た英語習得法:演じることで得た自信
ヨッパライとマリオとのジェスチャー・メインでの会話は殊の外楽しかった思い出となりましたが何よりも辛かったのは、このクラスでは毎日、幼稚園児のような「英語のお歌」や「お遊戯(英語劇)」を強制的にやらされたことです。いくら英語が全くダメでも、一応は「アメリカに留学しているクールな青年」という自負がありましたので、毎日の歌や英語劇の実践でそんなプライドがズタボロに引き裂かれたのをよく覚えています。
しかし、そんな「お歌」や「英語劇」をやらされたことが、のちに僕が英語の習得を成功させる大きな「きっかけ」となったのは嬉しい誤算だったと言えます。ご存知かと思いますが、「英語劇」というのは文字通り「英語」で劇(芝居)をすることです。実は僕、高校時代に演劇部に所属していたので人前で「役を演じること」に抵抗はありませんでした。そこで気づいたことが、英語を全く話せない人であっても「英語劇」となれば完璧な英語を話せるという事実です。
何も準備せずに、その場で英作文をしながら話す英語はたどたどしく発音も酷いものです。しかし、セリフなら事前に何度も練習出来るので完璧な発音でカッコよく英語を話すことが出来るようになります。また、日本人は英語を話す時に恥ずかしいと感じる人が多いですが、英語を話す役者になりきるとそんな恥ずかしさが無くなります。英語を話すもう一人の自分という役を演じることで堂々と自信をもって英語を話せるようになるのです。
日常会話をすべて「セリフ」に:背水の陣で挑んだ英語マスター法
英語劇の思わぬ効能に気づいた僕は「日常会話で自分が話すことをすべてセリフにして覚えてみたらどうか?」と思いました。無謀な試みに聞こえるかも知れませんが、当時の僕は英語が話せないと日常生活も送れません。まさに背水の陣だったのです。
そこで僕はノートを何冊も用意し、朝起きてから寝るまでに自分が話すであろう英語のセリフをすべて書き出しました。ホストファミリーとの会話、学校で友達と交わす会話、先生に質問する時の会話、遊びに行くときの会話…そんな感じでシチュエーションごとに自分が話すセリフをあらかじめ英語で準備して覚えたのです。
するとどうでしょう。あれだけ苦労していた英語での会話がスムーズに続くようになりました。それまでは、英語を話す時に頭の中で英作文をして、主語は何で動詞は何で…と考えているうちに会話が途切れてしまいました。この英語で合っているのかな?通じるかな?と不安に思いながら恐る恐る話すので、声も小さくなりがちです。小さな声で英語を話すから、通じづらい英語がさらに通じづらくなります。しかし、セリフで英語を話すと大きな声でハッキリ発音出来るので、その分相手に伝わりやすくなります。自分が一生懸命準備した英語のセリフがアメリカ人に通じた時の喜びは一入です。
話せるフレーズが増えるごとにリスニング力も自動的に向上!
さらに慣れてくると、僕はアメリカ人を笑わせようとジョークのセリフをたくさん準備しました。まるでお笑い芸人のように、お笑いのネタを仕込んで機会あるごとにアメリカ人に話してみたのです。そんな僕のジョークを聞いて笑い転げるアメリカ人の姿を見るのは何にも勝る快感でした。
自分が話せる英語の表現の幅が広がるにつれ、リスニング力も自動的に向上していくのがわかりました。自分のセリフの中に盛り込んだ英語の語句や表現は当然相手の英語の中にも頻繁に出て来るので特にリスニングの練習をしなくても「あ、わかる!」という瞬間がどんどん増えていきました。
今、英語が聞き取れないことで苦労されている方からすれば信じがたい話かも知れませんが、これは本当です。結局、英語の発音を知れば知るほど、リスニングは容易になります。英語のセリフをどんどん覚えることで、英語の発音をどんどん知ることが出来るようになるのです。こうすればしめたもので、特に辛いリスニングのトレーニングをしなくても自然と英語を聞き取れるようになります。
やったもん勝ち!挑戦する勇気が未来を変える
渡米してから数ヶ月後、僕は完全に英語を話し、聞き取ることが出来るようになりました。ある時、アメリカ人の友人と会話している際「あ、僕今、英語を話しちゃっているな」と客観的に思ったのを覚えています。それはとても不思議な感覚で、英語を勝手にペラペラしゃべっている自分を別の自分が俯瞰的に見ているような感覚でした。
その時を境に、僕は自分が言いたいことや伝えたいことを自由に英語で話せるようになりました。また、相手が話している英語も自信と確信をもってしっかり聞き取れるようになりました。高校時代の英語教師は、僕がアメリカへ行くことを嘲笑し「やめた方が良い」とまでアドバイスしましたが、結果的に僕は英語をマスターしてしまいました。やったもん勝ちという言葉が僕の頭に浮かびました。
今、この瞬間にも英語の習得で悩んでいる人がたくさんいると思います。この動画を見ている人の中にも、かつての僕と同じように苦しみ、何とか英語を身につけたいと切望されている方がきっといるでしょう。そんなあなたに何よりも伝えたいこと、それは「絶対に諦めないで。英語は必ず話せるようになります」ということです。
心の中のネガティブな声に負けないで!あなたも必ず英語を話せる
かつて英語恐怖症で、church を「カーク!」と発音していたような英語の落ちこぼれでさえ通訳者・翻訳者になれたのです。僕に出来てあなたに出来ないはずがありません。まずは一歩を踏み出してみて下さい。それから、周りのネガティブな声に耳を傾けないようにして下さい。ただし注意したいのは、そんなネガティブな声は他人の声だけとは限らないということです。
時に心が弱くなった時、あなた自身の心の中のネガティブな声が聞こえてくることがあります。「どうせ無理だよ」「英語なんか話せるようになるわけない」「聞き取れるようになるわけがない」そんなネガティブな声に耳を傾けないで下さい。それはかつての僕の英語教師の声そのものです。
そんな声が聞こえてきたら、その声よりももっと大きな声で自分にこう言い聞かせて下さい。「私には出来る!」「私は負けない!」「私は絶対に英語を話せるようになる!」元々英語が大の苦手だった僕に出来てあなたに出来ないわけがありません。頑張って下さい、応援しています!
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